ポルトガル語(ラテン系言語)の動詞活用には直接法と接続法の2つがありますが、もう一つ特徴的な活用があります。それは過去形の活用です。過去形にはさまざまな考え方があり、それぞれの時間に対する表現の形があります。しかもややこしいことに過去形は基本的に5種類もの形があるのです。
◎直接法
1.完全過去
2.不完全過去
3.大過去
4.過去未来
◎接続法
5.過去
ではそれぞれの違いを見てみましょう。
下の例でdar 動詞をそれぞれの形にしてみました。
1.Eu dei dinheiro para ele.
2.Eu dava dinheiro para ele.
3.Eu tinha dado(dera) dinheio para ele.
4.Eu daria dinheiro para ele.
5.Se eu desse dinheiro para ele...
1.僕は彼にお金を与えた。
2.僕は彼にお金を与えていた(継続的に与えていた)。
3.僕は彼に(あの時)、お金を与えていた(一度のみ与えたことがある)。
4.僕は彼にお金を与えていたのであろう。
5.僕が彼にお金を与えていたのならば・・・
という風になりますが、すべての形を並べてみると分かりやすいですね。
まず、直接法が分かりやすいでしょう。直接法は前回の投稿で基本の形と説明をしましたが、次の法則を覚えればその違いがわかりやすいでしょう。
○直接法はすでに起きたことを表す
○接続法はまだ起きていないことを想定して表す
という法則のもとで使われるのです。ここでおやっ?と思うことがでてきます。それは直接法の過去未来です。上記の例の日本語訳をみると直接法の過去未来形は上の法則に当てはまりませんよね。
というのは、過去未来には次の考え方があるからなのです。
○過去未来は未来ですでに起きたことを表す
少し強引ですが、すでに起きたことの表現という考え方になりますので上記の法則に当てはまります。
そして3番目の大過去は助動詞を使った方法と大過去の活用の2種類を並べてみました。これにはまたややこしいことがあるのですが、ブラジルでは大過去を使って会話をすることはあまりないのです。理由は分かりませんが、大過去の代わりに助動詞を使います。
ちなみにtinhaはterの不完全過去。dadoはdar動詞の過去分詞です。そういえば過去分詞を忘れていましたね。ということはポルトガル語の過去形の活用は合計で6種類になります・・・。覚えることがたくさんですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿